お腹にガスが溜まって苦しい。
苦しすぎて食欲も沸かない。
ガス抜きを市販の薬でしたい。
そんな時、薬は色々売っていますが、どれがいいのでしょう?
ガス抜きに役立つ薬の種類と選び方を見ていきましょう。
お腹のガス抜きをして、快適なお腹にしていきましょう!
お腹のガスが溜まる原因
そもそも、お腹のガス抜きが必要なくらいガスが溜まってしまう原因はなんでしょうか?
考えられる主な原因は、
- 早食いなどで、空気も一緒に飲み込んでしまっている
- 長時間座ったり、腸を圧迫して腸内環境が悪くなり、便秘になっている
です。
今回は後者の腸内環境の悪化によるガス溜まりの場合に着目して、薬による改善を見ていきましょう。
お腹のガス抜きをしてくれる薬の種類
整腸剤
整腸剤とは名前の通り、腸の調子を整えてくれる薬です。
腸内環境を整えて、ガス溜まりを解消するように助けてくれます。
また、整腸剤は腸の調子が悪くなる前に飲むことによって、腸内フローラのバランスを整え、下痢や便秘、胃腸の調子が悪くなることを予防してくれます。
即効性はないですが、じっくりと腸内環境を整え、ガス抜きをします。
整腸剤には次のようなタイプがあります。
乳酸菌が入ったもの
私たちの腸内には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つの細菌があります。
代表的な菌の種類と働きは次のとおりです。
- 善玉菌-ビフィズス菌、乳酸菌。健康を維持したり、病気に対する抵抗力を付ける働き、老化防止したりする働きがあります。
- 悪玉菌-大腸菌、ブドウ球菌。病気の原因になったり、健康を阻害します。
- 日和見菌-大腸菌(無毒株)。善玉菌が多いときはおとなしく、悪玉菌が多いと腸内で悪い働きをします。
腸内細菌の割合は、食べたものや排せつの状態で、毎日変わります。
乳酸菌が主に配合されている整腸剤は、腸の中で善玉菌として腸内環境を改善、悪玉菌の繁殖を防いでくれることによって、ガス抜きをしてくれます。
便秘気味の人、ストレスが多く下痢と便秘を繰り返す人、おならの臭いが気になる人におすすめです。
乳酸菌が入った整腸薬
- 新ラクトーンA
- ビオフェルミン
- 新ビオフェルミンS錠 など
消泡剤が入ったもの
ガスだまりの膜を薄くします。
ガスだまりが潰れやすくなることで、ガスが腸に吸収されたり、排出されやすくすることでガス抜きをしてくれます。
よく使われる成分がジメチルポリロキサンというものです。
お腹が張った感じがする人におすすめです。
消泡剤が入った整腸薬
- ガスピタン
- ラッパ整腸薬BF
- コバガード
- ラクサレット など
消化酵素、胃薬が入ったもの
消化を助けたり、胃の負担を解消する成分が入ったものです。
過剰に摂取した食物繊維は、悪玉菌のエサになってしまい、ガスを発生させます。
消化酵素はそういった食物繊維を分解します。
胃薬が入ったものは、お腹だけでなく胃の調子も良くないことが考えられる人におすすめです。
消化酵素、胃薬が入った整腸薬
- ザ・ガードコーワ整腸錠PC など
ビタミン剤、酵母が配合されたもの
ビフィズス菌の生育を促すビタミン剤が入っていたり、栄養のある乾燥酵母が胃腸の働きを助けてくれます。
お腹が弱く、食事から十分に栄養が摂れない人におすすめです。
ビタミン剤、酵母が配合された整腸薬
- 強力わかもと
- エビオス
- 新ラクトーン
下剤
下剤は整腸剤に比べ、即効性がある薬です。
今すぐガスを抜きたいという人におすすめですが、副作用もあるので気を付けないといけません。
下剤は常用をすると耐性ができて、だんだん効かなくなってくるので、使用するのは1回だけなどと決めて使うといいでしょう。
下剤の使用を続けていると、下剤依存症になってしまうこともあります。
下剤依存症の人は、イライラしたり、うつ状態になる人も多くいるようですので注意が必要です。
便秘になるとお腹が痛くなることがよくあるかもしれませんが、それは便が溜まって痛いのではなく、腸の中で発生したガスが便で出口を塞がれたものが行き場を失って溜まっていき、ガスが腸を圧迫して痛くなっているのです。
解消するために下剤を使い、ガスの抜け道を作ってあげる必要があります。
下剤には以下のような薬の種類があります。
刺激性下剤
腸を刺激して、運動を活性化させて排便させる薬です。
腸の動きが低下している場合に有効です。
刺激性下剤にも以下の2種類があります。
続けて使用していると依存になりやすい下剤です。
小腸刺激性下剤
小腸に刺激を与えて、便を押し出す運動を助けます。
大腸刺激性下剤より副作用が少ないです。
誤飲や食中毒の時などに使われることが多いようです。
妊娠中の人は使えません。
大腸刺激性下剤
大腸を刺激することで、排便を促します。
市販の下剤でこのタイプが一番多いです。
下剤を飲まないと出ない、など依存性がある薬です。
妊娠中や授乳中は飲んではいけません。
コーラック、スルーラックSなどがあります。
機械性下剤(非刺激性)
刺激性下剤のように腸を刺激するのではなく、便を柔らかくしたり、かさを増すことで排便しやすくする薬です。
続けて使ってもくせになりにくいと言えそうです。
機械性下剤にも3つの種類があります。
塩類下剤
腸に水分が吸収されるのを防ぎ、周りから水分を集め、便を柔らかくし、出しやすくする働きがある薬です。
主な成分は「酸化マグネシウム」です。
依存性が少ない下剤です。
マグラックス、マグミットなどがあります。
糖類下剤
胃や腸で吸収されにくい糖が主に使われていて、水分をふやかして便を柔らかくし、排便を促進します。
赤ちゃんや子供の便秘にも使われます。
モニラック、マルツエキスなどがあります。
膨張性下剤
腸が水分を含んで膨らんで、便のかさ増しをしたり、腸の運動を活性化して出そうとします。
膨張性下剤は不溶性食物繊維と同じような働きをします。
コーラックファイバー、スルーラックデトファイバーなどがあります。
お腹のガス抜きする薬の選び方
お腹のガス抜きをする時に役立つ薬、整腸剤と下剤の種類について見てきました。
この2つの薬の違いですが、整腸剤は腸を整える働きをするのに対し、下剤は腸内に溜まった便を出す働きしかありません。
例えば下痢の時、整腸剤を飲むと下痢を抑える働きをするし、 反対に便秘の時は出すように促す働きをしてくれます。でも下痢の時、下剤を飲むとさらに下痢をしてしまいます。
おすすめなのが、日頃から腸に優しい整腸剤で腸内環境を整え、便秘がひどく、ガスが溜まってしまっている時に下剤を使用する方法です。
しかし、整腸剤の種類によっては、継続して使うのがおすすめできないものもあります。
胃薬やガスを取り除く成分が含まれている整腸剤は、症状がよくなるまで使うのに留めるようにしましょう。
乳酸菌などが含まれている整腸薬は比較的安全に使用できそうです。
説明書をよく読み、決められた通りに服用するようにしましょう。
症状に合わせて薬を選ぶようにしましょう。
どの薬を使用すればいいのか迷ったときは、薬剤師さんに相談して決めるようにしてください。
まとめ
お腹が苦しくて、ガス抜きをしたいとき、頼りになる薬は、主に
- 整腸剤
- 下剤
でした。
整腸剤にも種類があります。
- 乳酸菌が入ったもの
- 消泡剤が入ったもの
- 消化酵素、胃薬が入ったもの
- ビタミン剤、酵母が入ったもの
下剤は大きく分けて2種類あります。
- 刺激性下剤
- 機械性下剤(非刺激性)
下剤(特に刺激性下剤)は、依存性が強いので、どうしてもガスが溜まって辛い時に回数を限って使うのがいいでしょう。
日頃から、乳酸菌が入った整腸剤などの即効性はないけれど、腸に優しい、腸内環境を整えてくれる薬を取り入れていくのがおすすめです。
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